🔍 『大祓詞』の完全訳
『大祓詞』は、日本の古代の伝統に根ざした祓いの言葉として知られています。
この『大祓詞』は、神社で毎年6月と12月の終わりに行われる「大祓の儀式」のときに唱えられ、
この儀式では、私たちが半年間に積み重ねた罪や穢れを、紙の人形に転写して、それを川に流したり、火で清めることで、神社の神々が祓い清めてくれる、ありがたい伝統だと解釈されています。
あれ? なんか微妙な表現…… 本当は違うんですか? |
高天原に 神留まり坐す
皇が親 神漏岐・神漏美の
命以て
『高天原』にいてはる
うちらの大王様の『おとん』と『おかん』が
大王様に命令下したときの話からや
八百万の 神等を
神集へに 集へ給ひ
神議りに 議り給ひて
『地方の豪族の代表者』
ぎょーさん呼びつけて
ぐっちゃぐちゃに議論させたあとな
我が 皇御孫命は
豊葦原 瑞穂国を
安国と平けく
知食せと
事依さし 奉りき
うちらの天孫に対して
「わてが日本の王になるで!」の関白宣言
これを、皆の前でガツンと言え! 言うねん
此く依さし 奉りし
国中に
荒振神等をば
神問はしに問はし給ひ
神掃へに 掃へ給ひて
語問ひし
磐根樹根立草の 片葉をも
語止めて
そんでな、国中にそう告知したらな
荒れ狂う豪族たち、大騒ぎやってん
従うんか、敵に回るか? 聞いて回ってな
返答次第でピッカピカに神の掃除や
言うたら
みんなシーンなってな、よう口も聞かんなってもうた
天の磐座放ち
天の八重雲を
伊頭の千別に 千別て
天降し 依さし奉りき
此く依さし奉りし
そんで大王様、自身の玉座から立ち上がってな
頭上の「垂れ幕」みたいな「姿隠し」横に外してな
今から「天の言葉」降ろすわ! 言うて
おもむろに大王様、こう言い出したんや
四方の国中と
大倭 日高見の国を
安国と 定め奉りて
大和朝廷の聖域内と
西日本の土地は、わてが治める国と決めたわ
ビシッと言いはった
下津 磐根に 宮柱 太敷き立て
高天原に 千木 高知りて
大王様の建てたすごい宮殿な、高床式の建物の下穴に、太い宮柱 突き立ててな
そんで先っぽからピュ〜とな、高天原指し示すツノみたいなん 屋根に高〜く作ってん
皇御孫命の
瑞の御殿
仕へ奉りて
天の御蔭 日の御蔭と
隠り坐して
安国と平けく知食さむ
国中に 成り出む
うちらの天孫様の宮殿にはな
貴族がぎょーさん仕えんのや
大王様のおかげ、天照様のおかげや言うて
神秘性も高めんのや
「大王様、天下統一しはった!」
そのための威厳、どんどん国中に周知や
天の益人等が 過ち犯しけむ
種種の 罪事は
天津罪 国津罪
許許太久の罪出む 此く出ば
でもな、皇族や貴族が罪犯したら、重罪やで
罪もいろいろ
天上人の罪、一般国民のあるけどな
許しを受けたいことぎょーさんあるやろ? これらの罪な
天津 宮事以ちて
大王様が今回の神事で直接「許しはる」言うねん
天津 金木を 本打ち切り
末 打ち断ちて
千座の置座に 置足はして
天津菅麻を 本刈り断ち
末刈り切りて
八針に 取裂きて
天津祝詞の 太祝詞事を宣れ
やり方こうやで
神聖な木、切り倒してな、小さく切り刻んで
神事の台キレイ並べてな
榊も同じようパパッと形整えて一緒にお供えや
ここで、いったん『天津祝詞』を別な神官(斎部氏)が唱えるんや! 長〜い祝詞、神社の昇殿参拝のときに聞くやろ? あんな感じや。
(ここで『天津祝詞』を一度挟む)
……此く宣らば
天津神は 天の磐戸を押披きて
天の八重雲を
伊頭の千別に千別て
聞食さむ
別な神官が祝詞唱え終えたら、うちらの天の神様が天の岩戸をブチ破って
入道雲ピューッと吹き飛ばす勢いで現れはってな
「話聞くで、よう言い〜」言うて、困り事聞いてくれはるわ。
こっちが貴族相手や
国津神は
高山の末 低山の末に登り坐て
高山の伊褒理
低山の伊褒理を 掻き別けて
聞食さむ
平民はこっちや。国の神官もな
いろんな山奥に祈祷用のヤシロ建ててな。
困り事あったらなんでもここで聞くで! 言うて
人の願いな、ようけ聞いてくれはるんや
祈祷用のヤシロで宮司がな
此く 聞食しては
罪と言ふ罪は 在らじと
科戸の風の 天の八重雲を
吹き放つ事の如く
朝の 御霧
夕の 御霧を
朝風夕風の 吹き掃ふ事の如く
そうなったらアンタ! もう罪なんかパーっとなくなるんや!
大王様からの偏西風が
アンタらの悩み(入道雲や霧)吹き飛ばす、言うてはる
祈祷のあのパタパタで払っといたるって
大津辺に居る大船を
舳 解き放ち
艪 解き放ちて
大海原に押し放つ事の如く
彼方の繁木が 本を
焼鎌の利鎌以て 打ち掃ふ事の如く
遺る罪は 在らじと
祓へ給ひ 清め給ふ事を
港の大きな船が錨と縄外して大海原に向けて前進する感じや
遠くの森の木の根本を、与作が木をヘイヘイホーと切るようにな
罪は全部清めて 刈り取られるんや
高山の末
低山の末より
佐久那太理に 落ち多岐つ
早川の瀬に坐す
瀬織津比売と伝ふ神
大海原に 持出でなむ
此く持ち出で いなば
山や里の、しんどい人たちが助けを求めたらな
まず真っ先に来るのは瀬織津姫やな
大海原に運んでくれはるんや。そこに運んでもらったら…
荒潮の 潮の八百道の八潮道の
潮の八百曾に坐す
速開都比売と伝ふ神
持ち加加呑みてむ
此く加加呑みては
瀬戸内海の荒潮の海路のぐっちゃぐちゃの先に
速開都比売
がいてはる。ただ、願いの却下も多々あるで。
もしな、うちらの神様が聞いてくれたらな
気吹戸に坐す気吹戸主と伝ふ神根国底国に 気吹放ちてむ
此く気吹放ちては
根国底国に坐す速佐須良比売と 伝ふ神持ち佐須良比 失ひてむ
山から吹く息吹戸ビューの主! や
枯れ木に花の〝花咲かじいさん〟のように大王様の息吹で、土に肥料が入って花が咲く
神の声でビューってされたらな
土の中の肥料の神、速佐須良比売が「アンタはよ成長しい!」根無し草のフラフラ状態なくなるで
此く佐須良比 失ひては
今日より始めて
罪と伝ふ罪は在らじと
いろんな邪魔なくなったらな、アンタの船は今日から大海原や
今日からはもう罪はない。神がキレイに掃除したった
今日の夕日の降の
大祓に祓へ給ひ 清め給ふ事を
諸々聞食せと 宣る
今夜の儀式にな、わてらの大王様が直々に姿を見せる。直々にや!!
豪族や、下級貴族たちが、年に二回しかない、大王様に直接願い事を申し出るチャンスやで
くれぐれも失礼がないよう、申し出るんや。ええな!!
あれ? なんかイメージしてたのと違う。 これってもしかして、陛下が〝神様〟なのですか? |
📼 『大祓の儀』は、元々は〝大王様への直訴〟
昔々、神武天皇が天下を獲ったばかりの頃。 神武天皇が、これからどうやって国を治めよう? と考えていたとき、他の地方豪族達は、「独裁者が全てを持って行ってしまうのではないか?」 と心配して、力で対抗しようと考えていました。 でも、神武天皇はとても慈悲深い王様で、争いごとを好まず、平和を望みました。 そこで「天の神様」に相談し、天から素晴らしいアイデアを授かりました。
我が 皇御孫命は 豊葦原 瑞穂国を 安国と平けく 知食せと 事依さし 奉りき
此く依さし 奉りし 国中に 荒振神等をば 神問はしに問はし給ひ 神掃へに 掃へ給ひて 語問ひし 磐根樹根立草の 片葉をも 語止めて